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教育・研修

保護者も保育士も笑顔にする、 吉岡代表が目指す新しい保育のかたち─ 株式会社Manamana 代表取締役 吉岡 里香

「先生」と呼ばれたあの日から、すべてが始まった──。

異業種から保育の世界へ飛び込み、自らの理想を形にした株式会社Manamana代表・吉岡里香氏。

試行錯誤と情熱に満ちた歩みと、子どもたちはもちろん、保護者や保育士まで笑顔にする『げんきめぐる』園づくりの裏側に迫ります。


保育事業への転身の原点

榎本氏: 御社の事業について教えてください。

吉岡氏: Manamanaでは、小規模保育事業を展開しています。主に0~2歳の子どもたちをお預かりしていて、責任を持って丁寧に子どもと関わることを大切にしています。まだ言葉も通じない月齢の低い子どもたちだからこそ、一人ひとりの小さな変化や気持ちにしっかり寄り添う必要があります。

榎本氏: まさに命を預かる仕事ですね。吉岡さんご自身が保育の道に進まれたきっかけは何だったんでしょう?

吉岡氏: もともとは紳士服やウェディングなどアパレル業界で働いていたんです。その後、ファミリー層が集う科学館で人と関わる仕事の楽しさを感じていました。その中で、ある日、私を目当てに通ってくれる3歳の男の子が現れて。なぜか懐いてくれて、「先生」と呼ばれるようになったんです。その子との時間がとても楽しくて、子どもって可愛いな、もっと関わってみたいなって思うようになりました。


保育士を目指した決意と努力

榎本氏: それが保育士を目指す原動力になったんですね。

吉岡氏: はい。29歳で思い切って保育士の資格を取ろうと決意し、18歳の学生に混ざって2年間専門学校に通いました。ピアノのレッスンにも通いながら、まさに修行のような毎日。最初は友達を作る余裕もなく、ただひたすら「資格を取るんだ」という思いで突き進みました。

榎本氏: その努力が実って、保育の現場に出られたんですね。

吉岡氏: はい。最初に就職したのは大規模な保育園で、働きながら現場の厳しさを痛感しました。とにかく忙しくて、保育士一人が抱える業務量も多く、書類作成や行事の準備に追われてしまって。子どもとじっくり関わりたいという思いが、なかなか実現できない状況でした。



理想の保育を追い求めて

榎本氏: そこから独立を考えるようになったんですか?

吉岡氏: いえ、実は一度保育の仕事を辞めようと思った時期がありました。体力的にも精神的にも限界で、「私は何のために保育をしていたんだろう」と迷ってしまって…。でも、派遣で品川区の保育園に行ったとき、いろんな価値観を持った保育士たちと出会って、保育の奥深さや可能性を再認識しました。そこから、「自分が本当にやりたい保育を自分の手で作ろう」と決意したんです。

榎本氏: それがManamanaの始まりだったんですね。

吉岡氏: はい。保育士仲間と一緒に小さなマンションを借りて、市の認可を申請し、スタートしました。開園までは収入もなく、派遣のバイトをしながら開園資金を確保したり、子どもの玩具を作ったり、SNSを活用して園児を募集したり、まさに手作りの立ち上げでした。


『げんきめぐる』保育の哲学

榎本氏: そこから17年も続けてこられたんですね。Manamanaならではの魅力はどこにあると感じていますか?

吉岡氏: 『げんきめぐる』という言葉をロゴにも掲げているんですが、これは私たちの保育方針そのものです。大人が元気でいることで、その元気が子どもたちに伝わり、また家庭や地域へと巡っていく。だから、まず保育士が気持ちよく働ける環境を整えることが大切だと考えています。

榎本氏: 職場の雰囲気づくりにも力を入れておられるんですね。

吉岡氏: はい。シフトはスタッフ一人ひとりのライフスタイルに合わせて柔軟に組んでいます。育児や介護をしている職員もいるので、1日6時間勤務や推し活有給なども取り入れています。楽しく働けるから、子どもにも保護者にも優しくなれると思うんです。


保護者と築く信頼関係

榎本氏: 保護者との関わり方にも特徴があると伺いました。

吉岡氏: そうですね。送り迎えでは必ず保育士が直接対応し、その日の子どもの様子を伝えるようにしています。連絡帳には手書きで思いを込めて綴り、今はアプリ「CoDMON(コドモン)」も活用して、写真付きで日々の様子を配信しています。保護者の方からも「距離が近くて安心できる」と言っていただけることが多いです。

榎本氏: 卒園しても関係が続いているとか。

吉岡氏: はい。卒園後も子どもたちや保護者がふらっと遊びに来てくれます。中には14年前に卒園した子が高校生になって訪ねてくれることも。たった2年間でも深いつながりが生まれているんだなと実感します。


未来へつなぐ保育のカタチ

榎本氏: 今後の展望について教えてください。

吉岡氏: 子どもの数は減ってきていますが、小規模保育のニーズは根強くあります。だからこそ、Manamanaのような保育園を全国に展開していけたらと思っています。そのためには、私自身が現場に立ち、理念を『見せる』ことが重要だと感じています。

榎本氏: 最後に、大切にしている考え方を改めて教えていただけますか?

吉岡氏: 「自分が楽しいと思えることをする」。結局、そこに尽きるんですよね。私自身が正直に、元気に、楽しく働く姿を見せることで、まわりも自然と元気になっていく。だからこそ、『げんきめぐる』なんです。

榎本氏: まさに、理念が行動に表れているのですね。




プロフィール


氏名:吉岡 里香(よしおかりか)
役職:代表取締役

略歴

アパレル業界から保育の道へ転身。29歳で保育士資格を取得し、2008年に小規模保育園Manamanaを創設。現在代表取締役。少人数制の特性を活かし、子どもたち・保護者・保育士にとって快適な環境と丁寧な関わりを重視している。


会社概要

社名:株式会社Manamana(株式会社 まなまな)
施設名:Manamana保育室(まなまな ほいくしつ)
本社所在地: 東京都西東京市南町5-2-10-2F
業種分類:教育・研修
代表:吉岡 里香(よしおかりか)
WEBサイト:https://manamanaen.jp/

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榎本ゆいな

榎本ゆいな

SNS総フォロワー11万人超!経営者の本音を引き出す、才色兼備の名インタビュアー

榎本 ゆいなさん(えのもと ゆいな)は、2002年6月16日生まれ、福岡県出身のモデル・タレントです。現在、大学に在学しながら、ジャストプロに所属。2022年4月からはTBSテレビ『王様のブランチ』でリポーターとして活躍されています。明るく親しみやすいキャラクターで視聴者の支持を集めています。また、2024年9月4日放送のTBS『水曜日のダウンタウン』では芸人・ひょうろくさんとの共演がSNSで大きな話題となり、SNS上でも大きな注目を浴びました。プライベートでは読書やゲーム、カフェ巡りなど多彩な趣味を持ち、X(旧Twitter)では3.5万人、Instagramでは7.4万人のフォロワーから日々温かいメッセージや反応が寄せられています。(2025年3月現在)今回、榎本さんにインタビュアーをお願いしたいと考えたのは、リポーターとして培われた、相手の言葉を引き出す力、そして、自然な言葉で伝える力に魅力を感じたからです。普段はなかなか社員に直接伝えきれない考えを、榎本さんが引き出し、読者(社員の皆様、そして未来の仲間となるかもしれない方々)に届けてくださることを期待しています。また、榎本さんの持つ親しみやすさは、インタビュー記事をより身近なものにし、経営者のビジョンや想いをより深く、より多くの人々に伝える力となるでしょう。テレビとSNSで培われた榎本さんの発信力は、インタビュー記事を通じて社内の一体感を高めるとともに、企業の魅力を社外に発信し、未来の仲間との出会いを生み出すきっかけにもなると信じています。

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