300円アクセで市場を変えた男、蕭氏が語る挑戦と革新の軌跡
300円アクセサリーで大きな成長を遂げた蕭氏。
台湾出身、アメリカ育ちという異色の経歴から、日本で新ブランドを立ち上げ業績を上げた。
コロナ禍でのマスク事業転換や理念刷新など、波乱の挑戦と革新の裏側とは?
帰国からブランド再生への挑戦
榎本氏: 台湾出身でアメリカ育ちで、なぜ日本の会社を継ぐことになったのですか?
蕭氏: 実は在学中にアメリカでIT・物流系の会社を起業し60人規模に成長させ、大学卒業後は売却しました。その後、父から連絡があり、24歳で帰国して入社しました。
榎本氏: どんな会社だったのですか?
蕭氏: アクセサリーパーツの「PARTS CLUB」です。最盛期は百店舗ありましたが、2016年頃からブームが落ち赤字店舗が増加。私は閉店整理を進めながら再建に取り組みました。
榎本氏: そこから新ブランドを?
蕭氏: 「LUNA EARTH」を2019年に立ち上げました。質の高いアクセサリーを300円で提供し、若い世代を中心に支持を集めました。これが業績を押し上げ、2025年には業界トップクラスになりました。
プチプラで品質を追求する秘密

榎本氏: なぜ300円に?
蕭氏: 一般的なアクセサリーは1500円前後で、高校生や留学生には高い。多くの人に楽しんでもらえるよう300円にしました。価格だけではなく品質にも徹底的にこだわっています。
榎本氏: 品質維持は難しかったのでは?
蕭氏: 大量生産が必要で、通常百個単位のところ千個単位で製造しています。ユニクロのSPAモデルのように自社でデザインから販売まで一貫体制を築きました。現在は70店舗以上に拡大し、幅広い世代に支持されています。
コロナ禍の危機とマスク事業への転換
榎本氏: コロナ禍にはどのような影響がありましたか?
蕭氏: アクセサリーは外出時につけるものなので、外出自粛で売上が激減し、一時は3億円のキャッシュが消えました。銀行融資も厳しく、まさに会社存続の危機でした。
榎本氏: どう乗り切ったのですか?
蕭氏: 台湾の状況を見てマスク需要の高まりを予測しました。部品を分解して仕入れ、デザイン性の高い布マスクやマスクチェーンを女性目線で開発。年間10億円以上を売り上げ、会社を支える事業になりました。
榎本氏: マスク事業はブランドにも影響しましたか?
蕭氏: マスクをファッションとして楽しむ提案ができました。リモートワーク向けアクセサリーなど、時代に合わせた柔軟な展開が評価されました。
「PARTS CLUB」の教室強化と多様化戦略

榎本氏: 「PARTS CLUB」の取り組みについて教えてください。
蕭氏: かつてはブームに乗って拡大した時期もありましたが、現在は教室事業を軸に再構築しています。スタッフが講師となり、お客様にアクセサリー制作を教えながら販売も行う多機能店舗です。
榎本氏: スタッフ育成はどのように?
蕭氏: 資格は不要で、手作りが好きなら半年ほどで講師を務められます。熟練者が若手を育てる文化があり、社内コミュニケーションも活発です。
榎本氏: ターゲットや商品構成は?
蕭氏: 若年層にはトレンド商品、ファミリー層にはレジン制作やキャラクターづくりなどを展開し、多様な層に対応しています。
企業理念の確立と社員との一体感

榎本氏: 経営理念はどのように生まれたのですか?
蕭氏: 入社当初は二代目としての重圧に苦しみ、ストレスから十二指腸潰瘍で倒れた経験が転機になりました。死にかけて自分の本質を見つめ直し、アクセサリーを通じてお客様をハッピーにすることを企業理念に据えました。
榎本氏: 理念の浸透に向けた具体的な取り組みは?
蕭氏: 四半期ごとに全国の店長約150人を集めて熱量のある講話を行い、現場にも頻繁に足を運んで直接コミュニケーションを取っています。この現場主義が理念浸透の鍵です。
榎本氏: 社員の反応は?
蕭氏: 匿名アンケートでは理念浸透度が他社の1.3倍と高評価で、店長やスタッフのモチベーション向上につながっています。
世界進出への展望と求める人材像
榎本氏: 今後の展開と課題を教えてください。
蕭氏: まずは台湾への進出を予定しており、そこから韓国や東南アジア、さらにアメリカやヨーロッパへ広げていきます。低価格アクセサリー市場で世界のトップカンパニーを目指すのが目標です。
榎本氏: どんな人材を求めていますか?
蕭氏: 挑戦的で楽しむ心を持つ人を歓迎します。私は31歳ですが、若い世代がベンチャー精神を持って世界に挑む環境を作りたい。仕事は大変でも楽しさとやりがいがあれば成長できると信じています。当社は「チャレンジ」と「楽しむ」を理念の柱にしており、これからもそれを大切にしながら、アクセサリーの楽しさと喜びを世界中に届けていきます。
株式会社エンドレスの蕭最高執行責任者は、300円アクセサリー市場を切り拓いた挑戦と革新を続ける経営者です。
創業家の伝統を継ぎつつ、品質と価格の両立、そしてコロナ禍の逆境をマスク事業で乗り越え、今後は世界進出と組織強化に注力。
挑戦と楽しむ姿勢を大切に、アクセサリーの新たな価値創造を目指しています。
Pick up:
大量生産廃棄から価値創造へ、ルイナスの挑戦とは?
株式会社エンドレスが展開するサステナブルブランド「ルイナス」は、アクセサリー業界の大量生産・大量廃棄問題に真正面から取り組んでいます。
他社の廃棄予定品も買い取り、全国30カ所以上を巡回するポップアップストアで再販。
新品同様のアクセサリーが手に入る驚きを消費者に提供しつつ、環境負荷の軽減にも貢献しています。
価値ある商品を循環させることで、ブランド価値の向上と社会的責任の両立を実現。
業界に新風を吹き込み、持続可能なファッション市場の形成に寄与する先進的なモデルとして注目されています。
プロフィール

氏名:蕭 勝華(SHENG HUA HSIAO)
役職:取締役COO(最高執行責任者)
略歴
蕭氏は台湾出身、アメリカ育ち。父の会社を継ぎ「PARTS CLUB」「LUNA EARTH」を展開し、飛躍的な成長を遂げた。日本だけでなく世界トップを目指すアクセサリーブランドの経営者。
法人概要
法人名:株式会社エンドレス
ブランド名:「PARTS CLUB」「LUNA EARTH」
本社所在地:東京都台東区柳橋1-20-1 エンドレスビル
WEBサイト:https://endless-inc.jp/
