運送業界に新風を―三方よしの精神で挑む、野澤氏の革新
運送業界の構造改革に挑み、コンサルティングとリースバックを融合した新たなビジネスモデルを確立した株式会社NOZAWA代表・野澤氏。「運送会社も投資家も、そして社会も得をする」と語るその理念の背景と、挑戦の軌跡に迫った。
異色のキャリアが生んだ気づき
榎本氏: 事業内容について教えてください。
野澤氏: 弊社は運送会社向けのコンサルティングを中心に、リースバックで仕入れたトラックを運用商品化し、投資家の方に販売する事業を展開しています。運送会社と投資家、双方に利益をもたらすをもたらす仕組みを作ることが目的です。
榎本氏: どんな経緯でこの事業を始められたのですか?
野澤氏: 23年間銀行に勤めた後、トラックのオペリース会社へ転職したことがきっかけです。金融の世界で得た視点を運送業界に活かせると感じたのです。45歳のとき、コロナ禍を機に「社会のためにできることを」と独立を決意しました。
榎本氏: 前職が今の事業にどう影響していますか?
野澤氏: 銀行時代は融資の出し手という立場でしたが、オペリースでは運送会社にも投資家にもメリットがある仕組みを体感できました。双方に価値を提供できる「三方よし」の精神が、今のビジネスの核になっています。
三方よしの哲学と独立の覚悟

榎本氏: 「三方よし」にはどんな思いが込められていますか?
野澤氏: 一方だけが得をするビジネスは続きません。運送会社も投資家も共に利益を得てこそ、業界全体が健全に発展できます。信頼と共感を基盤にした関係こそが長期的な成長につながると思っています。
榎本氏: 独立当初は苦労も多かったのでは?
野澤氏: 最初の3か月は不安の連続でしたが、目の前のお客様に誠実に向き合うことで、少しずつ信頼の輪が広がっていきました。
運送会社と投資家をつなぐ「架け橋」として
榎本氏: 現在の事業で特に意識していることは?
野澤氏: 弊社の柱は運送会社向けのコンサルティングです。資金繰りに悩む運送会社と、安定的な運用を求める投資家。この両者をつなぎ、双方が安心して取り組める仕組みを構築しています。
榎本氏: 他社と比べた強みはどのような点ですか?
野澤氏: 小規模だからこそスピード感と柔軟性があり、一社一社に寄り添いながら、大手では拾いにくい細かなニーズにも応えられるのが強みです。
榎本氏: 仕事の中でやりがいを感じる瞬間は?
野澤氏: 「ありがとう」と言ってもらえた瞬間ですね。数字以上に、その言葉が何よりの報酬です。感謝される関係を築けることが、この仕事の醍醐味です。
独立5年、次のステージへ

榎本氏: 独立されて5年になるそうですね。
野澤氏: はい、ようやく基盤も整いました。今後は特にドライバー不足への支援を強化していきたいと考えています。
榎本氏: 物流業界の人材不足は深刻ですね。
野澤氏: 高齢化も進み、外国人労働者の受け入れや労働環境の改善が求められています。制度や政治の問題も絡むため、民間だけでは難しい課題です。それでも、現場視点で少しずつ改善の道を模索しています。
榎本氏: 今後の展望をお聞かせください。
野澤氏: DX導入による効率化が大きなカギになるでしょう。GPSや運行管理システムを活用し、稼働率と生産性を上げる。テクノロジーを味方につけ、働き方と経営の両立を目指したいです。
リースバックの新たな形
榎本氏: コンサルティングの特徴を教えてください。
野澤氏: 机上の理論ではなく、実行まで伴走する実践型コンサルです。資金繰りや車両管理、燃費削減など、具体的な数字の改善を重視しています。
榎本氏: 金融商品についてもお伺いします。
野澤氏: 弊社の商品はトラックを担保にしたリースバックがベースです。運送会社は資金を確保し、投資家は安定収益と節税効果を得られる双方にメリットのある仕組みです。
榎本氏: 節税の仕組みはどのようになっていますか?
野澤氏: 減価償却を活用して利益の平準化を図ることで、株価の圧縮や事業承継時の負担軽減にもつながります。中小企業オーナーの資金面・心理面の支援にも貢献できると考えています。
物流の未来に向けて―信頼を軸に
榎本氏: 業界の今後をどう見ていますか?
野澤氏: 燃料高騰や2024年問題、自動運転の影響で業界再編が進んでいます。中小運送会社の淘汰が進む中、経営体力のある企業を育てることが日本経済の安定につながると感じています。
榎本氏: 最後に、御社の理念を教えてください。
野澤氏: 運送業界の課題を一つずつ解決し、持続可能な物流の未来を築くこと。信頼関係を何より大切にし、共に成長していけるパートナーであり続けたいと思っています。
株式会社NOZAWAの野澤氏は、金融の知見を活かして運送業界の構造改革に挑む。
「三方よし」の理念を胸に、運送会社と投資家を結ぶ架け橋として、業界と社会に持続的な価値を生み出している。
Pick up:
野澤氏が描く持続可能な業界のかたち
野澤氏が特に力を注ぐのは「人」の課題だ。慢性的なドライバー不足や高齢化が進むなかで、同氏は単なる採用強化ではなく、働き方そのものを変える必要性を強調する。労働時間の見直しや評価制度の改善、若手や女性が安心して働ける環境整備を着実に進める方針だ。加えて、DXの導入により運行管理や配車を効率化し、ドライバー一人ひとりの負担を軽減する取り組みも進めている。言葉は穏やかだが、その奥には「現場を支える人を守りたい」という強い意志がある。理想を語るより、実現可能な一歩を積み重ねる姿勢が印象的だった。人を軸に業界を立て直すという野澤氏の考えは、堅実さの中に温もりを感じる。物流の未来を形づくるのは、やはり人の力だと改めて感じさせられる。

プロフィール

氏名:野澤 靖久(のざわ やすひさ)
役職:代表取締役
略歴
野澤氏は金融機関に23年勤務後、トラックリース会社に転職し5年前に独立。運送業向けコンサルと投資商品開発を手掛ける。
法人概要
法人名:株式会社NOZAWA(のざわ)
所在地:東京都練馬区石神井台4丁目10-1
URL:https://www.nozawa-corp.com/
