高度医療と診断力で 動物の命を守る しょう動物病院の挑戦
開業を決断した理由
榎本氏: まずは事業内容について教えていただけますか。
草場氏: 当院「横浜みどり動物医療センター」は動物病院を中心に、トリミングサロンも展開しています。獣医師として4年間修行した後に独立し、理想の医療を実現したいと考えてこの病院を立ち上げました。
榎本氏: 早くに開業された理由は何でしょう。
草場氏: 勤務医時代、自分の力不足で救えない命に直面し、治療方針の違いにも悩んだことが大きなきっかけでした。そこで「正しいと思う医療を形にしたい」と思い、開業を決めました。
榎本氏: 理念として大切にしていることを教えてください。
草場氏: 一つは「一頭でも多くの命を救うこと」。そしてもう一つは「獣医師やスタッフが無理なく働ける環境を整えること」です。動物、飼い主様、スタッフすべてが幸せになれる病院を目指しています。
命を救う鍵『診断力』

榎本氏: 実際の診療でのこだわりを教えてください。
草場氏: 治療だけでなく「診断」に重点を置いています。病名が分からないまま治療すると飼い主様は納得しにくい。そのため当院ではCTや複数の内視鏡など高度な診断機器を導入し、できる限り病名を明らかにすることを大切にしています。診断があれば治療方針も明確になり、飼い主様が費用や負担を踏まえて選択できるからです。
榎本氏: 医療機器の充実はそのためなんですね。
草場氏: はい。CTも早い段階で導入しました。飼い主様からの要望に応えたい思いも大きかったです。機器を使うのは人ですから、スタッフ教育にも力を入れています。現在7名の獣医師が在籍していますが、誰が診ても安心できる水準を保つことを目標にしています。
一次と二次の間にある新しい役割

榎本氏: 地域での役割はどう捉えていますか。
草場氏: 当院は「一次診療と二次診療の間」を担う存在だと思っています。診断技術を高めつつ、町の病院のように寄り添ったケアも提供する。治らない病気であっても苦痛を和らげ、どうすれば穏やかに過ごせるかを一緒に考えるのも重要な役割だと考えています。
榎本氏: 今後の目標をお聞かせください。
草場氏: はい。病院の安定化が第一です。私がいなくても水準を保てる体制を整え、教育を通じて理念を次世代に受け継ぎたい。これまで人とのつながりに支えられてきたので、その恩を地域に返すことが使命だと思っています。
Pick up
草場院長の病院づくりを語る上で欠かせないのが、人とのつながりだ。CT導入は飼い主からの「ここで診断までできたら安心」という声が後押しとなり、機材購入も業者の協力で好条件が整った。現在の病院の土地も、不動産業を営む飼い主の紹介によって巡り合えたものだ。これらは偶然ではなく、日々の診療で築いた信頼関係の結果といえる。
取材で印象的だったのは、草場院長の人柄である。誠実に耳を傾け、恩を受けた相手には必ず行動で返す。その柔らかな物腰の裏には「自分を信じてくれる人に応えたい」という揺るぎない信念がある。こうした姿勢が病院を単なる医療の場にとどめず、人と人を信頼で結ぶ拠点へと育てているのだ。
プロフィール

氏名:草場 翔央(くさばしょう)
役職:代表取締役兼院長
会社概要
社名:SAC株式会社 横浜みどり動物医療センター しょう動物病院
(よこはまみどりどうぶついりょうせんたー しょうどうぶつびょういん)
所在地: 神奈川県横浜市緑区中⼭4-1-18
業種分類:医療・福祉
WEBサイト:https://sho-ac.jp/