大人気の餃子専門店。その裏には、ひたすらお客様の目線を貫く一人の経営者の姿があった。
25年の現場主義と、次なる挑戦とは。
三軒茶屋に本店を構え、餃子一筋25年。連日多くのファンで賑わう「東京餃子楼」。その人気店を率いる奥村啓氏は、意外にも「税理士」というもう一つの顔を持つ異色の経営者だ。
なぜこの店は四半世紀もの間、人々を惹きつけてやまないのか。その秘密は、守り続ける伝統の味だけではなかった。
今回のインタビューで明らかになったのは、国産ブランド豚への変更をはじめとする、知られざる餃子の「進化」の歴史、そして価格の裏にある品質への執念だ。
経営者自らが現場に立ち続ける理由、そして次に見据える未来のビジョンとは。繁栄の裏に隠された奥村氏の哲学に迫る。
- 東京餃子楼──その始まりの物語
- 始まりは「吉野家の餃子版」
- 模倣店が全滅した本当の理由
- 目指したのは「日本の餃子」
- 価格以上の品質、進化し続ける味
- 経営者が今も現場に立つ理由
- 次の夢は飲食店開業者の支援
- Pick up:“観客の目線”で考える、飲食店経営の本質とは──東京餃子楼・奥村啓氏が語る次世代への支援のかたち
- 企業紹介
- 人気餃子専門店「東京餃子楼」を擁する、進化と地域貢献を志す企業
- 「東京餃子楼」の事業展開
- 品質への飽くなき追求と継続的な改善
- 堅実な経営戦略と未来へのビジョン
- 地域経済と共に歩む企業姿勢
- 商品紹介
- 東京で最も行列ができる『ぎょうざ専門店』
- 4つのこだわり1.厳選したシンプルな素材
- 2.ニラとニンニクなしでも絶品な餃子
- 3.熟練の焼き方
- 4.最優秀賞受賞の「岩中豚」を使用
- 特徴的な「皮」と「餡」
- 専門店の味を新鮮お届け
- 店舗案内
- 社長プロフィール
- 略歴
- 会社概要
東京餃子楼──その始まりの物語
榎本氏:奥村さんが手がける事業内容についてお聞かせください。
奥村氏:「東京餃子楼」という餃子専門店を現在5店舗経営しています。三軒茶屋に2店舗、梅丘に1店舗、そして中央区の京橋と室町に1店舗ずつです。
榎本氏:三軒茶屋のお店は25周年を迎えられたそうですね。まさに餃子一筋でいらっしゃいますね。
奥村氏:そうですね。まあ、それ以外にできなかった、というのが正直なところかもしれませんが(笑)。
榎本氏:25年は本当にすごいです。そしてもう一つ、税理士という肩書きにも驚きました。
奥村氏:税理士の仕事は2年前に開業したばかりで、まだ本格的には動けていないんです。今はまず、コロナ禍の影響から飲食事業を完全に立て直すことに全力を注いでいます。本業が盤石になってから、ですね。
始まりは「吉野家の餃子版」

榎本氏:なるほど。では、その本業である餃子専門店は、どのような経緯で始められたのですか?
奥村氏:実はゼロから立ち上げたわけではなく、他社が始めた事業を譲り受けたのが始まりです。25年前、当時は「吉野家」さんが全盛期でして、その「吉野家の餃子版」を作り、多店舗展開を目指す、というコンセプトでした。
榎本氏:「吉野家の餃子版」、面白い発想ですね。
奥村氏:そのために、餃子は近くの自社工場で一括製造し、店舗では焼くだけ、というシンプルなオペレーションを構築しました。これなら専門の調理人がいなくても展開できる、という目論見でした。
模倣店が全滅した本当の理由
榎本氏:合理的なシステムですが、当初の目論見通りにはいかなかった、という雰囲気を感じます。
奥村氏:その通りです。実際にやってみて、餃子専門店で吉野家さんのような高回転率のビジネスモデルを成立させるのは、非常に難しいと痛感しました。牛丼と違い、餃子はどうしてもお客様の滞在時間が長くなります。そうなると売上のピークを高く作れず、どこにでも出店できるモデルとは言えません。うちを真似たお店もたくさんありましたが、私の知る限り、ほぼ全滅してしまいました。表面だけを真似ても、ビジネスの本質を理解していないと成功は難しい、という厳しい現実を学びましたね。
目指したのは「日本の餃子」
榎本氏:シビアな世界ですね。その中で25年間も繁栄し続けている秘密は、やはり「餃子の味」にあるのでしょうか。こだわりについて、ぜひ詳しくお聞かせください。
奥村氏:こだわりは「あっさりしていて、コクがある」という点に尽きます。「東京餃子楼」のテーマは、ずばり「日本の餃子」です。
榎本氏:え?「日本の餃子」ですか?
奥村氏:はい。本来、中国の餃子は皮が厚く、それだけで食事として完結する「完全食」のような存在です。それに対して、私たちは日本の食卓に合う「ご飯のおかずとしての餃子」を目指しました。ですから皮は薄皮に、味付けは毎日でも食べられるような、あっさりとした味わいを追求しています。
榎本氏:ご飯に合う餃子、最高です!そのこだわりの味は、25年間変わらないのですか?
奥村氏:いいえ、味は常に進化させています。これはお客様にはなかなか伝わっていないかもしれませんが、開業以来、マイナーチェンジをずっと繰り返しているんです。
価格以上の品質、進化し続ける味

榎本氏:進化、ですか。特に大きな変化はありましたか?
奥村氏:最も大きな変化は、餡の主役である豚肉です。以前は外国産のひき肉を使っていましたが、数年前に国産のブランド豚「岩中豚(いわちゅうぶた)」をブロック肉の状態で仕入れるように変えました。
榎本氏:ひき肉ではなく、ブロックで仕入れることにどんな意味があるのですか?
奥村氏:鮮度が格段に違います。ひき肉で仕入れると、どうしても加工から使用までに時間が経ち、特に「にらニンニクなし」の餃子では、肉のわずかな臭みが課題でした。しかし、工場でブロック肉を挽いてすぐに餡にすることで、その課題を完全に克服できたんです。岩中豚が持つ本来の旨味と甘みがダイレクトに味わえるようになり、正直に言って、今一番の自信作は「にらニンニクなし」の方だと私自身は思っています。素材そのものの味で勝負できる餃子になりました。
榎本氏:それはぜひ食べ比べてみたいです!でも、ブランド豚のブロック肉となると、原価はかなり上がるのでは?
奥村氏:もちろん上がります。ですが、そこは絶対に譲れない部分です。低価格で提供していますが、その価格に見合わないほどの品質には絶対の自信があります。このこだわりが、もっとお客様に伝わると嬉しいですね。
経営者が今も現場に立つ理由
榎本氏:今のお話で強く伝わりました。そうした品質追求と並行して店舗も増やされていますが、出店において最も大事にされていることは何ですか?
奥村氏:それは「立地」と、そこから見込める「集客」です。過去には失敗して撤退した店もありますから、立地選びは非常に慎重です。特に重視しているのは、その街の将来性ですね。「10年後、20年後、この街はどうなっているか」を想像します。私たちは大企業のようにスクラップ&ビルドを前提としていません。一店舗一店舗、その地域に根ざして長く愛されるお店を育てていきたいんです。
榎本氏:その想いが、奥村さんご自身が今でも現場に立ち続ける理由なのでしょうか。
奥村氏:ええ、現場は好きですから。私がやるのはホールの接客やレジくらいですが、毎日いるスタッフとは違う視点で物事を見るようにしています。例えば「この食材、少し鮮度が良くないな」とか、「お皿を変えた方が美味しそうに見えるな」とか。そうした小さな気づきを一つひとつ改善していく。その積み重ねが、お店のクオリティを維持するために不可欠だと考えています。
次の夢は飲食店開業者の支援
榎本氏:まさに「神は細部に宿る」ですね。それでは最後に、今後のビジョンについてお聞かせください。
奥村氏:まず「東京餃子楼」としては、急な多店舗展開はせず、良いご縁があれば年に1店舗ほどのペースで着実に育てていきたいです。そしてもう一つ、これは税理士の立場にも繋がりますが、私自身の多くの失敗経験を活かして、飲食店の開業希望者を支援する事業を始めたいと考えています。
榎本氏:開業支援、ですか。
奥村氏:はい。「いつか自分の店を」という夢があっても、物件探しなど最初のハードルを越えられずに諦めてしまう人が本当に多い。私自身が苦労したからこそ、その大変さがわかります。そういう方々の背中を押してあげる手伝いができれば、と思っています。
榎本氏:それは素晴らしいですね。餃子店の全国展開などもお考えですか?
奥村氏:可能性はあると思います。ただ、フランチャイズで展開するにしても、まずは自社のビジネスモデルの収益力をさらに高めることが先決です。「このモデルなら加盟店さんも絶対に幸せになれる」と確信できるレベルまで完成させなければ、無責任に広めることはできません。実は、梅ヶ丘の店舗は元従業員に任せる形で、試験的に始めてはいますが、一般に公募するのは、もう少し先になるでしょうね。
25年にわたり餃子一筋で「東京餃子楼」を経営する奥村啓氏へのインタビューは、その成功が単なる伝統の継承にとどまらないことを鮮明に示しました。
奥村氏の「日本の食卓に合う餃子」への深いこだわりは、国産ブランド豚への切り替えや、常に味を「進化」させ続ける姿勢に表れています。
また、奥村氏が、今も現場に立ち続ける理由は、品質への飽くなき追求と、顧客への誠実な想いから来ています。今後の展望として、無理な拡大をせず、地域に根差した店舗展開を目指す堅実な経営方針に加え、自身の経験を活かした飲食店開業支援という新たな挑戦も伺えました。
奥村氏の多角的な視点と情熱が、「東京餃子楼」のさらなる発展、そして飲食業界全体の活性化に大きく貢献することを期待させる、示唆に富んだインタビューでした。
Pick up:
“観客の目線”で考える、飲食店経営の本質とは
──東京餃子楼・奥村啓氏が語る次世代への支援のかたち
「なぜ売れているのかが見えていなければ、表面を真似しても絶対にうまくいかない」
餃子専門店「東京餃子楼」を25年にわたり率いてきた奥村啓氏の言葉は、これまで数多くの模倣店が姿を消してきた現実に裏打ちされている。
奥村氏が考える経営の本質は、「現場主義」と「観客目線」だ。前者は、経営者自らがホールに立ち、お客様の反応やスタッフの動きを五感で感じるという意味。後者は、自分が何をしたいかではなく、“お客様がどう感じるか”を出発点とする視点だ。「芸人が笑わせるために観客の目線を意識するように、飲食業でも“相手目線”がなければ長く続けることはできない」と奥村氏は語る。
一方で、これからの飲食業界に対しては危機感も抱いている。多くの若い飲食人が「いつかは独立を」と夢を見るものの、物件探しや資金調達、立地戦略といった“最初の壁”の高さに阻まれ、夢を諦めてしまうケースは少なくない。「飲食で働いていても、出店の仕方がわからない人がほとんど。そこを誰かが教えないと、志があっても前に進めない」と語る奥村氏。
その思いから、今後は自身の経験と税理士としての知見を活かし、開業希望者を支援する取り組みを進めたいと考えている。
「スクラップ&ビルドで大量出店・撤退を繰り返すのではなく、一つひとつの店が長く地域に愛されること。それがこれからの飲食業に必要な価値だと思っています」
奥村氏が目指すのは、夢の入り口に立つ人に伴走し、再現性のある“生きたモデル”を提供することだ。25年現場に立ち続けてきたその背中は、成功よりも失敗から学び、飲食の未来を支えようとする静かな情熱に満ちている。

企業紹介

人気餃子専門店「東京餃子楼」を擁する、
進化と地域貢献を志す企業
「東京餃子楼」の事業展開
東京餃子楼は、世田谷区と中央区に計5店舗を展開する創業25年の人気餃子専門店です。
同店の最大の特徴は、「ご飯に合う日本の餃子」という独自のコンセプトを追求している点にあります。薄皮でありながら餡の旨みが凝縮された、あっさりとしてコクのある餃子は、幅広い層から支持されています。
また、餃子の製造は全て自社工場で一括して行い、店舗では焼き上げと提供に特化。これにより、専門の調理人がいなくても高品質な餃子を安定供給できる効率的なオペレーションを確立し、飲食業界で確固たる地位を築いてきました。
品質への飽くなき追求と継続的な改善
株式会社パズルフードサービスは、老舗としての伝統を大切にしつつも、現状に満足せず常に品質向上への努力を惜しみません。その姿勢は、餃子の主要な食材である豚肉の選定にも現れています。以前はひき肉を仕入れていたものを、現在は国産ブランド豚「岩中豚」をブロックで仕入れ、自社工場で挽肉に加工しています。この徹底した鮮度管理と素材へのこだわりが、肉本来の旨味を最大限に引き出し、「にらニンニクなし」の餃子においても臭みがなく、より深みのある味わいを実現しています。
代表の奥村氏自身が現場に立ち、顧客の反応や店舗の状況を直接把握することで、従業員だけでは気づきにくい細かな改善点を発見し、迅速に実行しています。こうした継続的な品質改善への取り組みが、長きにわたって顧客の信頼を維持し、リピーターを獲得し続けている要因と言えるでしょう。
堅実な経営戦略と未来へのビジョン
同社は、堅実な経営戦略で成長を続けています。奥村代表は、将来の人口動態まで見据え、地域に根差した「長く愛される店」づくりを重視。安易な店舗拡大ではなく、一店舗ずつ丁寧に育てています。
さらに、奥村氏は自身の経験と税理士としての知識を活かし、飲食店の開業支援も構想。独立希望者のさまざまな障壁を乗り越える手助けをしたいと考えています。将来的なフランチャイズ展開も視野に入れ、「東京餃子楼」の美味しさとノウハウを全国に広げる可能性を秘めています。
地域経済と共に歩む企業姿勢
株式会社パズルフードサービスは、25年にわたる「東京餃子楼」の成功を通じて、顧客からの信頼を築き上げてきた企業です。その信頼は、妥協なき品質への追求、効率的かつ真摯な店舗運営、そして堅実な経営戦略によって支えられています。代表取締役である奥村啓氏のリーダーシップのもと、同社は今後も「日本の餃子」の味を進化させながら、地域社会への貢献、そして飲食業界全体の活性化に向けて、新たな挑戦を続けていくことでしょう。
商品紹介

東京で最も行列ができる『ぎょうざ専門店』
4つのこだわり
1.厳選したシンプルな素材
「キャベツ」「白菜」「にんにく」など、シンプルな素材だからこそ厳選し、美味しさを追及しました。

2.ニラとニンニクなしでも絶品な餃子
ニラ・ニンニク不使用の餃子もご用意。この二つが入っていなくても驚くほどコク深い餃子です。
★ニラ・ニンニク入りもおススメ。

3.熟練の焼き方
修行と経験が積み重ねられた焼き方は、表面はモチっと焼き面はパリっと中はジューシーで箸が進みます!

4.最優秀賞受賞の「岩中豚」を使用
岩手県産SPF 特選銘柄豚。まろやかな旨みと脂質のバランスが良い数々の品評会で最優秀賞に輝く豚肉です。

特徴的な「皮」と「餡」
餃子の皮の特徴は、焼いた時にはパリっとカリカリ・サクサク!水餃子にしても薄皮なのにモチっとした弾力を兼ね備えています。新鮮な肉と野菜を使用した餃子の餡には、オリジナルの特製鶏ガラスープを加えて、コクのある芳香漂うジューシーな味わいとなっています。

専門店の味を新鮮お届け
お店の味をご家庭で!焼きたての皮はパリッと香ばしく、中からは旨みたっぷりの肉汁があふれます。このおいしさの秘密は、一晩寝かせ旨みを凝縮させた餡と、独自ブレンドの専用粉で練り上げた特製の皮にあります。出来立ての感動を急速冷凍で閉じ込めました。専門店の味をぜひご家庭でお楽しみください。
Web Shop:https://tokyogyouzarou.shop/
店舗案内
東京餃子楼
■三軒茶屋本店
〒154-0004 東京都世田谷区太子堂4-4-2ラウスパレス三軒茶屋
■茶沢通り店
〒154-0004 東京都世田谷区太子堂2-23-5 プルミエ太子堂1階
■京橋店
〒104-0031 東京都中央区京橋2-2-1 京橋エドグラン地下1階
■梅丘店
〒154-0022 東京都世田谷区梅丘1-26-5
■コレド室町2店
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町2-3-1コレド室町2地下1階
社長プロフィール

氏名:奥村 啓(おくむら あきら)
役職:代表取締役
生年月日:1967年02月07日
出身地:愛知県
愛読書:リチャードニクソン「指導者とは」
略歴
1967年愛知県生まれ。明治大学経営学部卒業後、銀行・会計事務所勤務を経て2003 年に株式会社パズルリンク入社。2013年に株式会社パズルフードサービス代表取締役就任。2023 年には税理士登録し、会計事務所を開業。
会社概要
社名:株式会社パズルフードサービス(かぶしきがいしゃ ぱずるふーどさーびす)
本社所在地: 〒154-0004 東京都世田谷区太子堂4-4-2ラウスパレス三軒茶屋201
設立年月日:2000年10月
従業員:33名
業種分類:サービス
事業概要:餃子専門店経営
代表者名:奥村 啓(おくむら あきら)
WEBサイト:https://www.puzzle-fs.co.jp/
X(旧Twitter):https://x.com/santyagyouzarou
Instagram:https://www.instagram.com/tokyogyouzarou_s/
LINE公式:https://page.line.me/086jampi
